以前の記事にもあったようにトリニダード・トバゴにはさまざま国をルーツに持つ人がいて、それぞれのルーツのフードがある。さらにはさまざまな宗教も絡んでくるので、さらに多彩な料理食料事情がある。
例えば、トリニダード・トバゴにはイスラム教の人も多数いるので、お肉は大体ハラル認証付きだ。街の肉屋から、レストラン、さらにはソーセージやコーンビーフなどの缶詰にもハラルの表記があり、カトリック教徒もヒンドゥー教徒もみんなハラルミートを食べる。なんとも寛容な宗教観だ。
そしてイスラム教は豚肉を食べないし、ヒンドゥー教は牛肉を食べない。間をとって鶏肉が一番食べられているお肉となるわけだ。前記事にもあったようにフライドチキンは大人気だ。世界的フランチャイズKFCトリニダードはトリニダードの人口を差し置いても世界で上位の売り上げを誇ると聞いたことがある。
さらにはラスタ教の魚類は食べてOKのペスカタリアン、また動物愛護の観点からのベジタリアンの人々も多く存在し、レストランには必ずベジタリアンメニューがあり、最近日本でも大人気の大豆タンパクの食材もお肉と変わらないくらいの種類と数がスーパーマーケットに並んでいる。そして最近は豆腐もじわじわと人気が出てきている。昔はMEIJIのレトルトパックの豆腐がちょこっとスーパーに並んでいる程度だったが、最近は地元でも作られるようになってきている。
また、地元のお菓子に関してもその多彩さは健在で、レジ横にちょこっと並ぶお菓子にはイスラム由来のかりんとうのようなクーマと呼ばれるお菓子、インド由来のやたらめったに甘いヌガーバーのようなお菓子、さらには中国由来の甘しょっぱい梅干しなどがずらりと並ぶ。もちろんトリニダード由来のベネボールという胡麻固めたお菓子や、ナッツ類などもたくさん並んでいる。
一つの国でこんなにたくさんの民族や文化の食材を分け隔てなく日常的に食べらるのは世界でも稀なのではないだろうか。
