トリニダード・トバゴが誇るソカのアーティスト大御所であり、数々のヒット曲を持つBlaxxが2022年3月28日に59歳の若さで他界しました。コロナの合併症で亡くなったとのことです。彼のパワフルでいつも笑わせてくれる楽しいライブステージをもう見れないなんて・・・考えられないです。多くのソカアーティストのメンター的存在だったので、今後のソカのシーンも変わってきそうですね。

追悼を込めて、Blaxxについて紹介したいと思います。selector HemoによるトリビュートMIXはこちら👉https://youtu.be/WC_3C3a-sa8

Blaxx本名は、Dexter John Stewart。1962年12月21日生まれ。彼の父親はミュージシャンで、彼のお母さんは歌手で、その影響を受け、Blaxxも13歳で音楽の旅を始め、Blaxxの最初のカリプソを書いたのは母親であったとのこと。

1999年、ロイ・ケープ氏がBlaxxに、Roy Cape All Stars(ロイ・ケープ・オールスターズ)にボーカルとして加わるように頼み、それからソカの音楽上界で最前線に立ってきました。若くしてミュージシャンとしてのキャリアをスタートしているようですが、Blaxxは2013年に新聞社の"The Guardian"で、Roy Cape All Starsに参加するまで彼の成功はもたらされなかった」と語っています。
 
2007年にリリースされた"Dutty"は、最初の大ヒット曲となりました!常にSoca Monarch(毎年ソカの優勝曲を決める大会)での優勝を目指していたようです。(ソカモナークの優勝は叶わずに逝ってしまわれましたが…(泣)

そして彼の一番のヒット曲と言っても過言ではないのがこの曲”Leh Go”。2013年はカーニバル(ソカのリリース)の当たり年と私たちの独壇場で言っていますが(笑)、この曲も2013年のカーニバルはもちろん、その後のカーニバルを盛り上げるには欠かせない曲となっています!

「今日出かける前綺麗にしてきてたら、手をあげろー!」「脇の匂いは気にするなー!」と掛け声とともに盛り上げて歌っていたこの曲。これがもう見れないのは本当に辛いです。

↑こちらもSoca 2013年の大ヒット曲”No Getaway”。

そしてこちら↓はカーニバル月曜日の夜中から行われる”J’ouvert(ジュベ)”を盛り上げまくり、ジュベには欠かせない曲となった1曲!

Leh Goに匹敵するくらいの大ヒット曲となった曲”Hulk”。

ヒット曲”Hulk”は“What don’t kill you should make you stronger,”「殺さないものは自分を強くするべきだ」という歌詞から始まるこの曲は「障害を克服して、自分の可能性を最大限に引き出す」ことについて歌っています。「黒すぎる」、「カメラはお前が嫌いだ」、「太りすぎる」、「市場性がない」と言われてきて、ソカの音楽業界で成功するまでに下積みがあったこと、健康に深刻な問題があって苦しんでいたことから、Blaxx自身の経験を語っています。

ちなみに、彼の掛け声(曲の歌い出しなどに各アーティストが必ず言うセリフのような言葉)、”Ban yuh Belly”。これはトリニダード・トバゴのフレーズで、「困難な状況とか時期のために準備しとけ!」みたいな意味だそう。困難な経済状況やお金・食料の何かに言及するときにいつでもトリニダード人は使うようです。例えば、「They just announced an increase in oil prices and food prices. It’s time to “ban yuh belly”.(オイルと食料価格が増額される発表がされたから、備えとくときだな)」。彼が貧乏で苦労してきたことと関係があるのかなと勝手に推測しています。もしかしたら、チャームポイントのBelly(お腹)とかけて、このトリニダードスラングを使ったのかな?とも思いますが、、亡くなられる前にインタビューしたかったです!

Soca2022として最後のヒット曲”Mash UP”

まだまだ紹介しきれていない曲がありますが!このブログ内では辺で。

おそらく今年の2月初旬に公開されている以下の動画、BlaxxによるLife Lesson。

私としては、「観客が踊って、ワイニーして、楽しんでいるのが好き。」と言っているのが、印象的。ライブでもよく「俺はただのソカアーティストじゃない、太った腹のエンターテイナーだ!」とか”Leh Go”の曲では、お決まりの脇のにおいの話なんかで笑わせて盛り上げていたから。生でライブはもう見れないけれど、彼の曲はこの先もずっとずっとカーニバルでロードを盛り上げていくと信じています!

4月6日にクイーンズパークサバンナで彼のお葬式が盛大に行われたようです。お見送りはカーニバルのようにトラックが出てパレードが行われたよう。ご冥福をお祈りします!