世界中ではキリスト教に関連する宗教行事の一つとしてカーニバル、パレードなどが行われているが、トリニダード・トバゴも例外ではない。この国のカーニバルは日本ではそこまで有名ではないが、世界的には有名であり非常に大規模なものである。
実際、トリニダードの人々はこのカーニバルをThe Greatest Show on earth(地球上で一番すごいイベント)と呼んでいる。毎年2月か3月ごろにカーニバルパレードが行われる。(日はキリスト教の謝肉祭の時期に合わされ、毎年異なる)トリニダードのカーニバルの特色はパレードで使用される音楽が主にソカであり、BPM160前後の非常に激しいビートが多い。
また楽器はスティールパンの使用が特徴的である。パレード時にはマスバンドと呼ばれるグループごとに衣装やテーマを設定し、街を踊りながらパレードする。マスバンドは大きなグループがあり(Island PeopleやLegacyなど)、そのグループの中でさらにいくつものセクションに分かれている。
また楽器はスティールパンの使用が特徴的である。パレード時にはマスバンドと呼ばれるグループごとに衣装やテーマを設定し、街を踊りながらパレードする。マスバンドは大きなグループがあり(Island PeopleやLegacyなど)、そのグループの中でさらにいくつものセクションに分かれている。
例年7月ごろになると、各マスバンドごとに翌年のカーニバルのコスチューム発表の場が設けられる。そして秋ごろには参加者の受付がはじまる。参加者は現地やインターネットでコスチュームなどを見ながら、自分の参加したいバンドセクションに申し込みをしていく。しかし人気のあるセクションだとすぐに定員に達してしまうこともある。また、逆に人気のないとことだと、カーニバル直前ぎりぎりまで受付けているところもある。
また音楽関係でいうとスティールパン、ソカ、カリプソ、チャットニーなどのコンテストの決勝がパレード日の近辺で行われるが、その予選が12月ごろから行われる。例えばソカの場合だと予選を勝ち抜いたシンガーがパレード直前の週末に行われるSoca Monarch(ソカモナーク)のファイナリストとしてパフォーマンスを行い、優勝者を決める。(なお、ソカモナークはGroovy SocaとPower Socaの部門に分かれている。)またスティールパンのコンペティションのほうも相当な盛り上がりをみせる。(ソカ、チャットニーについてはこちら)
年明けごろからは多くのFete(フェテ)といわれる音楽イベントが開かれ、この時期多くのアーティストが大小様々なイベントに出演する。これらの場に足を運び、多くのパフォーマンスを見ることもカーニバルの楽しみの一つである。カーニバルの日付は毎年異なるが、必ず月曜日と火曜日にパレードが行われるが、それに先駆け日曜日から日付が変わった月曜日の深夜にJ’ouvert(ジュベ)といわれるパレードが夜明け過ぎまで行われる。これはペンキと泥を混ぜたものを体に自分で塗ったり、人にかけたり、かけられたりしながら、深夜の街を爆音のソカとともにパレードするというものである。
こちらもマスバンドのようにいくつものジュベバンド(グループ)があり、事前に申し込んで参加するのが一般的である。もちろん、とりあえず、その時間帯に街に出てみて雰囲気を味わうことはできるが、セキュリティなど考えるといずれかのバンドに参加するほうが望ましい。
こちらもマスバンドのようにいくつものジュベバンド(グループ)があり、事前に申し込んで参加するのが一般的である。もちろん、とりあえず、その時間帯に街に出てみて雰囲気を味わうことはできるが、セキュリティなど考えるといずれかのバンドに参加するほうが望ましい。
明け方過ぎまでジュベのパレードは行われる。そして月曜日の正午前ごろからカーニバルのパレードが始まる。したがって、ジュベと本番のカーニバルパレード双方に参加するマスカレーダー(カーニバルパレードに参加する人たちの呼称)たちは家やホテルに戻り、シャワーなどでペンキを落とすとすぐにコスチュームに着替えてパレード参加ということになる。カーニバルパレードは月曜日夜まで続く。そして火曜日の早朝からまた始まる。火曜日の夜は12時まで音楽が続き、12時を過ぎると音楽がやみ、カーニバルの全日程が終了する。当然参加者たちはクタクタなのだが、他には変えがたい達成感、充実感に満たされることは間違いない。またセクションごとに大きなスピーカーを積んだトラックからソカが流れているが、もっとも多くかかった曲がその年のROAD MARCHという呼び方をされる。アーティストたちはそれを目指し多くの曲をリリースする。翌日の水曜日はASH WEDNESDAY(灰の水曜日)と呼ばれ、休日となっており、街はカーニバルの狂騒から一転静かな状態に戻る。この日はビーチでくつろいだりする観光客やパレード参加者たちも多い。
最初にも書いたが、元来カーニバルは宗教行事であり、謝肉祭の日程に合せてカーニバルが行われるため、トリニダードのカーニバルもブラジルのリオのカーニバルも同じ日付でパレードが行われる。それもあって日本での報道などは基本的にリオに注目が集まり、トリニダードはほとんど注目されていない。しかしトリニダードのカーニバルの特徴の一つに基本的に誰でもマスカレーダーになれ、パレードもできるということがある。外国人にとって、非常に参加しやすいのだ。またソカはサンバとは異なり、難しいステップなどはないので、とりあえずコスチュームさえ着れば、おおいに楽しめる。
ただ、一つ覚えておいて欲しいのは旧英領のカリブ国のカーニバルにも共通するのだが、ソカ特有の動きとして、wine(ワイン)といわれるものがあり、腰をくねらせる動きがある。パレードやFeteの会場でも多くの参加者たちがリズムに合わせて男女同士、また一人でも腰を振っている。
これまで述べたようにカーニバルは様々なイベントで構成されているが、ぜひフィナーレのパレードにはコスチュームを着て、参加してみてほしい。その時はマスカレーダの一人一人、自分自身が主役であり、カーニバルの喜びを全身で感じることができるはずだから。(文・ KARNIVAL GOLD)