トリニダード・トバゴの食べ物(基本情報はこちら)といえば、ちょっと前に某YouTuberが紹介していたひよこ豆をカレー風味のスパイスで味付けして煮込んだものをバラと呼ばれる2枚の平た平たい揚げパンの上に乗せたDoublesが有名ですが、他にもトリニダード・トバゴならではの食べ物が沢山あります。
トリニダード・トバゴはいわずと知れた多民族国家。大きく分けてはアフリカ系とインド系、次いでチャイニーズとなっていますが、それぞれが融合して実に多種多様で独特な食文化を育んでいます。
冒頭にあげたダブルスはインド傾向が強い食べ物ですが、アフリカ系の食べ物ももちろんあります。例えばカラルーという里芋の葉っぱを主体にカボチャやオクラなどの野菜とハーブやスパイスをココナッツミルクで煮込んだ料理は、アフリカの葉っぱのスープをルーツに持ちますし、ピラウと呼ばれる豆や鶏肉などの炊き込みご飯のような料理も沢山あります。
また、歴代ヨーロッパに支配されてきた影響もあり、ヨーロッパ料理との融合も沢山あります。例えばクリスマスには欠かせないブラックケーキというラム漬けドライフルーツのケーキはヨーロッパのブランデーケーキがもとになっていますし、また、これまた朝食の代表格、ソルトフィッシュ&ブルジョルはヨーロッパで重要な保存食であったタラの塩漬けをベイクと呼ばれるパンにはさんで食べます。
他にもイスラム教由来の中東料理も沢山あり、特にアーモンドを使ったお菓子などは意外とさっぱりしていておいしいです。面白いのはイスラム教徒の方も沢山いるので、トリニダード・トバゴで売られているお肉はほぼすべてHALAL認証がされているという点です。缶詰の一個に至るまですべてHALALのマークがついています。
以上までが料理の種類ですが、味付けはどうでしょうか。スコーピオンなどという激辛唐辛子を生み出すほどの唐辛子大国ですが、実は料理そのものは辛くないものがほとんどです。しかし、日本人からしたら仰天なのがその味付け方法です。特にアフリカ系の料理は大体が砂糖を油に煮溶かしてそこに食材を入れるという考えただけでカロリーが気になってくるような調理方法です。もっとも主に使われている砂糖が未精製のキビ砂糖なので、そのまま食べてもおいしいと感じるほど甘さもマイルドでミネラルも豊富です。出来上がった料理も全然油っぽくもべたべたもしておらず、むしろ照り焼きのような味です。意外と日本人のお口に合うのではないでしょうか。
そんな風に辛くはない料理ですが、そこにお好みでペッパーソースをかけて食べます。
どのレストランも必ずペッパーソースがおいてあり、それぞれがそのレストランの料理に合うようなペッパーソースが用意されています。もちろん、ほぼ激辛、日本でいうところのデスソースが標準くらいの辛さなので、かけ過ぎにはご注意を!現地の人もあまりに辛すぎるのは好きではないらしく、沢山かけると、「お前!焼け死ぬぞ!!」などと注意をしてくれます。
また、トリニダード・トバゴで忘れてはいけないのがケンタッキー・フライド・チキンです。もはや国民食といっていいほどケンタッキー・フライド・チキンが大好きで、新型コロナでロックダウンになった時にはみんな買いだめして冷凍をしていたほどでした。そして昔にはあのレゲエレジェンドのボブマーリーがトリニダードに来た時にKFCを食べたとの逸話も残っています。
以上が大体のトリニダード・トバゴの食べ物の紹介ですが、本当に民族や宗教文化が複雑に絡み合いとても紹介しきれないのが残念ですが、それぞれの民族がいがみ合っていないからこその融合料理が沢山実現しているのが素晴らしい特徴ですね。
