カーニバルの重要なイベントであるスティールパンの最高位を競うスティールパンの大会“National Panorama Competition”通称Panorama,その予選のFete化(Feteとはカーニバル期間に開かれる野外フェスやパーティーのこと)が最近顕著になっています。
この予選、それそれのスティールバンドの本拠地であるPan Yardと呼ばれる場所に審査員達が赴き演奏を審査するというもの。しかしながら最大の大会であるラージバンドの大会は総数が他のカテゴリーより少ない事などから演奏曲のお披露目的な意味合いが強い予選で、順位はつけられるもののこの予選で敗退するバンドは滅多にありません。
そしてラージバンドのカテゴリーはそれぞれの地域コミュニティに根付いていたり、世界的に活躍するバンドも多く、海外のスティールパン奏者も数多く参加していたりします。
その為、国民の多くが贔屓にしているバンド(推しのバンドといえましょうか)を持っており、それぞれがパンヤードまで出向いていって応援するだけでなく、そのまま審査員を追い掛けて他のバンドの偵察とばかりにパンヤードからパンヤードまで渡り歩く人が大勢います。(これをホッピングと言います)特に首都、ポートオブスペイン周辺のノースと呼ばれる地域ではパンヤードからパンヤードまでが大概歩いて行ける為、何百人もの観客が徒歩での大移動をします。
たくさんの観客が押し寄せる為、それぞれのパンヤードには人が溢れるほどの大盛況。
そうなると最大限楽しんでもらおうとするのがトリニダード流です。つい4~5年くらい前までは殆どのバンドは 審査員が来たところで演奏をして、終わりという感じだったのが、最近は司会者が出てきて、挨拶、バンドの紹介、審査員の紹介などをし、さらにその年に演奏する曲を歌っているシンガーが出てきてパフォーマンスをする、花火や紙吹雪、はたまたダンサーなどが出てきて踊るなどの演出が当たり前になってきています。
ごった返すパンヤード、それぞれのバンドのサポーター達の凄まじい応援熱量、そこに演出も加わり相乗効果で白熱するプレイヤー達の演奏、長い長い白熱した夜にPanorama への興奮は増すばかりでした。
そんなPanorama Competition、なんと来週日曜日(1/28)がセミファイナルです。このコンペティション、なぜかファイナルよりもセミファイナルの方が盛り上がるという不思議な傾向にあります。タイトルも「Savannah Party」となっていて、正面から見るグランドスタンドよりも、後ろからパーティしながら観戦するノーススタンドの方がチケットも高い位なのです。
しかもこのセミファイナル、ミディアムカテゴリー14バンド、ラージカテゴリー16バンドを1日で行うという強行ぶり、昼の1時に始まり終わるのは夜中過ぎになる事間違いなしです。世界にこんなに長いコンペティションなんて他にあるのでしょうか。。。ギネスに登録されてもおかしくないのではないかと思うほどです。
そんなNational Panorama Semi Finalですがオンライン配信のチケットが発売されているようです。詳しくはPan Trinbagoのホームページをご確認ください。